此花バトルロワイヤル
男子           女子         
桜庭武志 【男子1番】 青木理恵 【女子1番】
佐藤雅  【男子2番】 浅間ひとみ【女子2番】
浜田孝典 【男子3番】 太田恵子 【女子3番】
三石信太郎【男子4番】 大見優子 【女子4番】
南裕一郎 【男子5番】 石井伊都子【女子6番】
松井吾郎 【男子6番】 神崎依央奈【女子7番】
桃井恵  【男子7番】 岸田紗希 【女子8番】
八木健太郎【男子8番】 岸本実穂 【女子9番】
            北山雅美 【女子10番】
教員          桜田忍  【女子11番】
沖田橋ノ介【教員1番】 水田真理 【女子12番】
椎名真由美【教員2番】 高田敦子 【女子13番】
瀧 寛  【教員3番】 滝沢郁美 【女子14番】
野々村茂雄【教員4番】 橘美亜子 【女子15番】
菱池研吾 【教員5番】 永井友江 【女子16番】
三谷   【教員6番】 中村久美子【女子17番】
山内健三 【教員7番】 長山晶子 【女子18番】
山子勘八 【教員8番】 根岸貴子 【女子19番】
            広井正子 【女子20番】
その他         藤崎双葉 【女子21番】
石橋亘  【その他1番】前田清美 【女子22番】
風間壬和子【その他2番】
山田真人 【その他3番】

以上41名
シーン1 龍咲ゆーみ :03/01/30
 ガサガサガサガサッ!!
 無造作に生えた草木を掻き分けながら走って行く。
 「どうして、どうしてこんなことになっちゃったの!?」
 支給されたデイパックを抱えながら何度も何度も怒鳴った。
 「わからない。けど、今は考えてる暇なんてない!」
 遠くの方で銃声が響く。それに続いてドサッという人の倒れる音…
 「どうした?どうして…?」
 混乱した頭では涙を流すことしかできず、
 半ば恵に引っ張られて走る優子は今だに信じられずにいた。

 ターンッ!!
 弾丸が側を通ると木にめり込む音が聞こえる。
 「とにかく今は走って!安全なところにいかないとどうにもできないんだ!」
 「どうして…どうして…」
 恵の言葉に従い走りつづけながらも優子の嗚咽が止まることは無かった。

シーン2 龍咲ゆーみ :03/01/30
 「しっかし、こんな物騒な物いれなくてもいいじゃない。」
 「ゲームなんですから、それなりに見栄えがしないと意味がないからじゃないですか?」
 実穂のデイパックの中に入っていた「武器」と称される物はアルミ製の棒だった。
 長さにして60cm足らずという代物だが本気で殴れば十分な威力を発揮できる物だ。
 「でも、私としてはこんなモノを入れて置く人間の気が知れないわ。」
 試しにブンブンと振りまわして見るとその手応えから本物だろうと思う。
 「私の逆にどうかと思うようなものですしね…」
 伊都子が取り出したのは十得ナイフという殺傷能力に乏しい「武器」である。
 「まあ、つまりほどほどにしておけって言うことなんじゃない?」
 「そういうことだと思いますよ。他のデイパックにもキャンプ用具が入ってたりするんじゃ無いでしょうか?」
 「どうせそうよね。それで殺し合いをしろ〜なんてお笑い草よね。──っと晶子が来たわね。」
 支給されたデイパックを背負った晶子が二人の前にやって頭を下げる。
 「遅れました。…すみません。」
 「永井さんと話していたんでしょう?それなら構いませんよ。」
 「そ。すぐにそういうこと言うクセやめたら?」
 「すみません…」

 3人はそのまま校舎近くで談笑をしていた。
 「そういえばまだ私は武器を見てません。」
 晶子はデイパックを下げて中身を確認しようとしたが、
 「調べたって意味無いわよ。どうせ回中電灯かなんかよ。」
 「そうなんですか?」
 実穂の言葉を受けてデイパックを漁るのをやめた。

シーン3 龍咲ゆーみ :03/01/30
 ドガガガガガガガッ!!
 突如として『マシンガンを連射したような銃声』がした。
 「ぎゃっ!?」
 「うぐ!!」
 直後に響く悲鳴。
 その場いた者達が振り返ると、トンプソンM1A1を持った永井友江【女子16番】が呆然と立ち尽くしていた。
 銃弾を浴びたのは佐藤雅【男子2番】と高田敦子【女子13番】らしく、地面を転げ回っている
 「ぎゃああああ!!足がぁぁぁ!!」
 「い、、痛いぃぃ!!」
 辺りの生徒たちはそれが本当のことかわからずしばし静止しする。

 「ま、待って!ホンモノだなんてわからなくて…!」
 予想外の惨事に弁明しようと周りの人間に声を掛け様とする友江だった──
 ──が、
 引き金に指が掛かったままの銃がカチャッと音を立てると、
 「ひ、人殺しだぁ〜!」と誰かが叫ぶと、永井友江【女子15番】は
 驚き、その拍子に再び引き金を引いて残った銃弾がやみくもに全弾発射された。
 
 ドガガガガガガガッ!!
 幸い銃口は下を向いていた為に誰にも当たりはしなかったものの、
 この異常な状態を混乱へと誘うには十分過ぎるほどの材料だった。
 「逃げろっ!永井が本気だっ!!」
 「た、助けて、私はまだ死にたくないっ!!」
 生徒も教員も一緒になって我先にとどこへともなく走って行く。
 「お願い!お願いだから逃げないでっ…!」
 混乱を招いた永井友江【女子16番】もその行為に恐怖し、逃げる生徒たちを必死なって追いかけた。
 それは他の生徒達からは、獲物を狙う獣のように見えたのかもしれない……

 1日目スタート直後
 永井友江【女子16番】/トンプソンM1A1誤射
 佐藤雅【男子2番】足を負傷。/高田敦子【女子13番】軽傷で済む。
 その他生徒&教員は逃亡。永井友江【女子16番】徘徊…
 
 残り41人

シーン4 龍咲ゆーみ :03/01/30
 ターンッ!
 校舎を離れると南裕一郎【男子5番】はルガーSDHを試し撃ちした。
 「ちっあたんねぇか…こいつぁダメだな」
 「何言ってんだ。そんなイイモン引き当てて文句言うんじゃねーよ。」
 付き添っている松井吾郎【男子6番】は引き当てたのがガンストックというナイフだけに愚痴を垂れる。
 「まあ悪い銃じゃねえのは認めるがよ。一人ぐらいは殺しておきたかったな。」
 周りには慌てふためいて逃げる生徒で溢れかえっているが、動いている目標に当てるのは容易ではない。
 開けた場所でもなく林の中であれば当然なことに命中率はさらに落ちる。
 「そんなことより神崎と早く合流してやらねーとはぐれちまうぜ。」
 「ああそうだったな。さっきの騒ぎで逃げ出しているとは思えねーが探しに行くか…」
 二人はこの状況に何も疑問は抱いておらず、
 まるで殺し合いのが当然というように獲物を求め校舎の方へ戻って行った。
 
 「いねぇなぁ…」
 松井吾郎【男子6番】は首を捻ってアゴに手を置く。
 さきほどの永井友江【女子16番】の誤射により校舎前から人の気配は無くなっていた。
 足をケガしたはずの佐藤もいないところを見ると誰かが連れて行ったようだ。
 「おめでてぇな。生き残るのは一人しかいねーってのに。」
 クックックッと低く笑うと南裕一郎【男子5番】は校舎に背を向けた。
 「ここにいねーんだったらどっかで会うさ。どうせ最後には殺すんだからな。」
 (それが恋人に向けるセリフかよ。)
 松井吾郎【男子6番】はそんなことを思いながら、北山雅美のことを考えていた。
 
 1日目スタート直後
 南裕一郎【男子5番】武器/ルガーSDH(スーパーレッドホーク)
 松井吾郎【男子6番】武器/ガンストック フォールディング。
 獲物を求めて徘徊開始。
 
 残り41人

シーン5 龍咲ゆーみ :03/01/30
 石橋亘【その他1番】はデイパックの中身も確認せずに林の中を歩きまわっていた。
 (なんでこんな目に合わなきゃならんのだっ!)
 櫻花寮の代理管理人にたまたまなっただけだというのに…
 離島に連れてこられ殺し合いをさせられるなんて割に合う仕事じゃないじゃないか。
 さきほどまで全力で走っていたので体中に疲労感が広がっている。
 汗で服はベッタリと張り付き、今も呼吸は乱れたままだ。
 (殺し合いをしろ?冗談じゃない。私は勝手に生き延びるさ…)
 
 ガサッ!!
 近くの茂みから何者かが顔を出す。
 「き、きみは…確か、桜田さんかねぇ…?」
 最近入寮したばかりなのでなんとなく名前だけは覚えていた。
 これがもし他の生徒だったらまったく覚えていなかっただろう…
 「はい。桜田です。管理人さんは一人なんですか危ないですよ?」
 柔らかそうな笑顔で物腰よく声を掛けてくる桜田忍【女子11番】に石橋は安堵した。
 
 「そうか、殺し合いをしてるんだったか。確かに一人じゃ危険だねぇ。キミもそうだろう?」
 改めて現実に戻ると今もどこかから狙われているんじゃないかと一瞬ヒヤリとした。
 「そうなんです。だから、一緒に来てくれる人を探してました。」
 「ならどうだい。一緒に安全なところに隠れようじゃないか。」
 桜田忍【女子11番】が頷くと石橋亘【その他1番】は若干気を持ち直して顔に浮かんだ陰りが取れる。
 「じゃあ私が先に行こう。なんといっても危ないからねぇ。」
 それを聞いた桜田忍【女子11番】は薄く笑うと石橋の後に従った。
 この後、石橋亘【その他1番】は断末魔の悲鳴と共に永遠に安全ところへ行くこととなる。
 
 1日目 昼前
 石橋亘【その他1番】死亡/桜田忍
 桜田忍【女子11番】武器/不明。石橋を殺害。荷物を強奪。
 再び獲物を求めて徘徊。
 
 残り40人

シーン6 龍咲ゆーみ :03/01/30
 どれくらい歩いたのだろうか。
 デイパックに入っていた地図を頼りに丘の上の展望台へなんとか辿りついた。
 (かなり急いできたからまだ誰もきてないだろうな…)
 菱池研吾【教員5番】は比較的早い順番でデイパックを受け取ると、
 まず、篭城できそうな場所を探して歩いた。
 始めのウチは生徒同士の同士打ちを狙い、3日目になったら隠れ場所を出て残りの参加者を殺す。
 こういう時は頭脳戦がモノを言うに決まっている。
 そう決めつけると菱池は展望台の中に入り、二つしか無い入り口にバリケードを建てた。
 これで誰も入ってこれないだろう。満足気に頷くと展望台ロビーへと階段を上り始めた。
 
 「これは、、、すごいな。いい眺めとはこのことか…」
 地上100m級の展望台は島の全景だけでなく水平線まで見通せる絶好の位置に立っていた。
 「ここならば篭城に適していると言えるな…よし。しばらくはここで様子を見ることにしよう。」
 菱池は展望台のスタッフルームへと足を運び使えそうな仮眠室で休憩を取ることにした。

 1日目 昼前
 菱池研吾【教員5番】待機/展望台
 
 残り40人

シーン7 龍咲ゆーみ :03/01/30
 「しっかりしろよ!傷は深くないぞ!」
 椎名真由美【教員2番】が必死の処置をする隣で桜庭武志【男子1番】は励まし続けていた。
 「かなりヤバイわね。弾が貫通しているとはいえ、なんの道具もない現状じゃこれ以上は無理ね」
 佐藤雅【男子2番】は意識こそあるものの痛みでロクに喋れもしなくなっている。
 歩くこともできず、体格のいい佐藤では運ぶのにも問題がある。
 男勢の中でも得に力持ちの桜庭武志【男子1番】がこの小屋へ運び込まなければどうなっていたことか。
 「こうなったらオレが薬を探してくるッスよ!!」
 ほとんど気絶しかけの佐藤を前に居ても立ってもいられない武志はデイバックを持つドアに手を掛けた。
 「教師としては止めたいところだけど、、、頼むわ。それしかないわ。」
 ただ見ているだけでは傷が良くなるはずもなく、真由美は武志に望みを託すしかなかった。
 「任せて下さいよ!必ず痛み止め見つけて来るっす!!」
 必要以上に力の入った返答をすると武志は小屋を飛び出して行った。
 
 「地図が確かなら、民家はここを西に行ったところにあるみたいだけど…」
 小屋は校舎の南西の方にあり、幸い誰も小屋には近づいてこなかった。
 そのおかげで佐藤の処置を行うことができたのは僥倖と言えよう。
 もしも他に小屋を目指す人物が居れば殺し合いになって居たのかもしれないと思うと…
 これから行く民家に逃げた人間は必ずいるだろう。
 武志は緊張感を高めゆっくりと進路を西へ取った。

 1日目 昼前
 椎名真由美【教員2番】待機/小屋
 佐藤雅【男子2番】重傷/小屋
 桜庭武志【男子1番】移動/小屋→民家
 
 残り40人

シーン8 龍咲ゆーみ :03/01/30
 「いやぁー壬和子さんがいると本当に助かりますって!」
 道すがら、橘美亜子【女子15番】は壬和子をヨイショしていた。
 「そんな!美亜子さんにそう言っていただけるだけで幸せですぅ!!」
 (この人変わらないわね…)
 校舎前で銃声がなった時、美亜子をいち早く連れ出したのが風間壬和子【その他2番】だった。
 その後、林の中で木製の矢で狙撃された時も冷静に対処してくれたのだ。
 美亜子にすれば未だ非現実的過ぎて殺し合いが起こっているとは考えられないことだったが、
 「壬和子さんは本気で殺し合いしてると思ってるんですか?」
 言っている自分にはなんの他意もない。しかし、突如として空気が張り積めたような緊張感を覚える。
 「大丈夫です。なにがあっても私がお守りします。…もしも、二人で残った時は御譲りします。」
 3日目の午後11:59…つまり、4日目になる前に生存者は一人になるしかない。
 もしも複数の生存者がいれば残った人間は全員即爆死してしまう…らしい。
 ともかく、生き残れるのは一人だけということなのでこういう言い方をしてるんだろう。
 「死にたくはないですけど、譲られる気は別にしないんですけど。」
 控えめに美亜子が申し出を断ると、酷く慌てて壬和子が美亜子に懇願してくる。
 「後生ですからそんなこと言わないでください!貴方に死なれては尚人さんに申し訳立ちません!!」
 (別にその程度ならいいんじゃないですか?)
 美亜子の口からその言葉が出る前に林の中から音が聞こえて来た。
 
 「美亜子さん…なにかあっても騒がないでくださいね。」
 今歩いている場所は多少緩やかとはいえ崖の側なのである。
 わざわざ不利な場所を歩けば誰もこないだろうという計算があったのだが…
 「私がなんとかします。」
 念を押すように壬和子が言うと、美亜子はコクコクと頷いて押し黙った。

 「武器を捨てな。そうすれば襲わないでおいてやるよ。」
 「姿も見せないでよく言いますね。こちらには銃があるんですよ?」
 美亜子の引き当てた「武器」は奇しくもニューナンブであり、警官である壬和子は当然のように扱える。
 「そちらこそ武器を捨てて大人しく立ち去れば攻撃しませんよ。」
 一瞬の静寂が訪れる。
 本の少し立つと声のした方向から遠ざかって行く音が聞こえてきた。
 「…もう大丈夫です?」
 不安げに美亜子が声を掛けてくると壬和子は振りかえって、
 笑顔でもう大丈夫ですと言おうとした瞬間、全力でこちらへ向かってくる音が聞こえてきた。
 振り向いて反射的に銃を構えると、声のした方向とはまったく別の方向から南裕一郎が飛び出して来た。

 「ざまぁねぇな。」
 壬和子が南に標準を合わせると、
 今度は松井吾郎がやはり声のした方向からガンストックを構えて飛び出してきた。
 (間に合わない!)
 松井吾郎に気を取られ発砲を躊躇した壬和子は自分の愚かさを呪った。
 見られていた。南が、もしかしたらもう一人の協力者が、私が振りかえったことを合図したのだ。
 最高のタイミングを逃した今引き金を引いて南に発砲しても致命傷にはならない。
 この瞬間に壬和子はいかにして美亜子を守るかをできるうる限り考えた。
 そして、脇腹にガンストックが突きたてられる時間が来た。

 ドンッ!!
 衝撃はナイフによるものではなく美亜子によってもたらされた。
 美亜子が壬和子を突き飛ばし、ナイフに刺さらぬよう壬和子を逃がしたのだ。
 だが、代わりに美亜子が松井にぶつかったために美亜子は眼下に広がる崖に滑り落ちていった。
 「ああっ!」
 壬和子が落ちていく美亜子を見つめ悲鳴を上げる。
 「人の心配よりも自分の心配しろよ。」
 壬和子は自分が南裕一郎【男子5番】と松井吾郎【男子6番】に捕らえられたことなど
 もはやどうでもよいことだった。ただ必死に美亜子の無事だけを願わざる得なかった。

 1日目 昼前
 橘美亜子【女子15番】行方不明
 風間壬和子【その他2番】死亡/南裕一郎
 南裕一郎【男子5番】壬和子殺害
 松井吾郎【男子6番】ニューナンブ回収
 さらなる獲物を求めて徘徊…
 
 残り39人